ニッポンと話そうPROJECT

『映画という媒体でSDGsやサーキュラーバイオエコノミーについてを人々に浸透させるという今度の試みは、挑戦的で面白いなと思います』

20代学生

日本人よ立ち上がろう !
そろそろ本気で考える時期だと思う

世界が一斉にサーキュラーバイオエコノミーに舵をきっている姿を目の当たりにして、「人口増加や生活水準向上に対応した生産」「環境負荷を軽減」と言うものの、ごく普通に生活を送る我々には、買い物のレジ袋が利用制限されるといった程度の接点しかなく、実際に、何をどう変えなければならないのかもわからない。ましてや、その行動がどのように私たちを幸せにするかを想像できないのが現実です。現在、日本そして世界の人々は、震災や新型コロナウィルスなど、いつにない毎日を経験する中で、自給自足、経済に頼らないシンプルな暮らし、仕事に追われない自由な生き方へなど、経済的な豊かさだけが、人の幸せではないということへ意識転換しつつある雰囲気にあります。また、「どう生きるか?」の関心が高まり、その根本で、自然と人間の共生への探求も始まっています。あふれるモノに囲まれ、それを使い捨てながら暮らしている私たち現代人。本当の「豊かさ」とは?そろそろ本気で考える時期に来ているのかもしれません。

では、「何を考える?」ヒントは日本の歴史にあります。日本の歴史を振り返ると、日本には古来からサーキュラーバイオエコノミー(循環型社会)が存在していました。その長い歴史の中で培ってきた自然と共に生きる知恵や生き方を、私たちは振り返り、知る必要があります。 現代のように物資が豊かではなかった江戸時代。人々は、知恵を絞ってあらゆるものを大切に使い、わずかに残った灰や人間の排泄物さえも肥料として土に戻し、限られた資源を使い尽くしていました。そうした暮らしぶりが、自然に循環型の社会を生み出し、自然に恵まれた生活を営むことにもつながりました。江戸時代には下水道管理から派生した下肥エコシステムやゴミ処理・リサイクルシステムなど様々な循環型のエコシステムも確立しました。これらのエコシステムのおかげで江戸時代では人口の増加と反比例してゴミ問題が減少し、衛生的に世界トップクラスの町と言われてきました。このような先人達の社会のシステムを現代に活かせないか?そう考えてしまいます。

しかし、あふれるモノに囲まれ、それを使い捨てながら暮らしている私たち現代人。現代の大量生産、大量消費の時代、つまり「使い捨て」が効率的な時代に、現代のサーキュラーバイオエコノミー、リサイクルの仕組みを確立することは難しいだろ?化石資源を掘り続け繁栄してきた現代のシステムを急激に変えるのは困難だ。そんな綺麗な言葉を並べても何も変わらない。色んな声が聞こえてきます。

それでも、私は、行動します。まずは、サーキュラーバイオエコノミーを、もっと分かりやすく『映画』を通じて持続的に人々に伝えていく事ができないか?そう思っています。ニッポンと話し、映画を通じて、サーキュラーバイオエコノミーを持続的に人々に伝えていきたい。サーキュラーバイオエコノミー、サスティナブル、SDGs、Reduce(ゴミ削減)、Reuse(再利用)、Recycle(再資源化)の3R等、を「映画」を通じて人々に伝え、浸透させていきたい。

でも、何故そんなことをするのか?ズバリ、『江戸時代は、一般大衆が考え、自主的に仕組みや知恵を創造し、みんなが自分たちで考え行動し、サーキュラーバイオエコノミーを確立した』と思うからです。

私たちの映画を通じて、日本が古来から持ち合わせている「生きる」ためのシステム「自然と人間との共生」という宝物を次世代に伝えていく。それを受けたひとりひとりが、自発的に知識を育み、さらなる次世代へ継承するような土壌を創っていく。映画を通じてもっともっと人々に伝えていく。江戸時代の人々が創れたんだから、現代の私達も、私達のサーキュラーバイオエコノミー(循環型社会)が創れるだろう。今は、困難だとしても、100年後の日本は変わっているかもしれない。100年後の子孫が、100年前に、『ニッポンと話そうプロジェクト』が創った『映画』を観て何を想うか?それを想像しただけでもワクワクする。

だから私は行動します。“志”のある映画を創り、人々に『伝えて』いきます。映画を信じて。

美術監督 原田満生

美術監督 原田満生

1965年生まれ。美術監督として阪本順治監督などの作品に多数参加したのち、セットデザイナーを経て、98年『愚か者/傷だらけの天使』(阪本順治監督)で美術監督をつとめる。『顔』(00年/阪本順治監督)、『ざわざわ下北沢』(00年/市川準監督)では、第55回毎日映画コンクール美術賞、第20回藤本賞特別賞を受賞。さらに、05年『亡国のイージス』(阪本順治監督)で第29回日本アカデミー賞優秀美術賞、07年『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(松岡錠司監督)で第31回日本アカデミー賞優秀美術賞を受賞し、一躍脚光を浴びる。『テルマエ・ロマエ』(12年/武内英樹監督)、『北のカナリアたち』(12年/阪本順治監督)の2作品で第36回日本アカデミー賞優秀美術賞を受賞。さらに、『舟を編む』(13年/石井裕也監督)、『許されざる者』(13年/李相日監督)の2作品で第37回日本アカデミー賞優秀美術賞を受賞。同じく『舟を編む』では第68回毎日映画コンクール美術賞を受賞。その他、『TOKYO! (SHAKING TOKYO)』(08年/ポン・ジュノ監督)、『テルマエ・ロマエⅡ』(14年/武内英樹監督)、『バンクーバーの朝日』(14年/石井裕也監督)、『深夜食堂』(15年/松岡錠司監督)、『散り椿』(18年/木村大作監督)、『日日是好日』(18年/大森立嗣監督)など、多数の映画美術監督を務める。

原田満生オフィシャルサイト

『映画を創り続けたい』

プロジェクトが目指す映画創りを説明していきたい。私たちが創りたい、理想的な映画を過去の映画を参考に説明したいと思う。

映画『半世界』
阪本順治監督(2019年公開)

半世界 半世界

三重県伊勢志摩の海岸沿いにある山の中にウバメガシの群生地がある。この植物はゆるやかな傾斜の環境のよい場所では他の植物に負けてしまい、あまり生育しない。そのため、他の植物が生えにくい急傾斜や水の少ない山頂付近に生育する。寒さにはやや弱く、潮風や乾燥に強い、炭素を多く含んだ非常に重たい木だ。

炭焼き職人が急斜面でウバメガシを切り出していく。原木がウバメガシの備長炭は普通のカシよりも硬く、火力・火持ちが良く、世界最高水準の炭だといわれる。

職人は備長炭にするのに最適な樹齢2、30年ぐらいの木を選んで伐採する。ウバメガシには再生能力があり、適齢で伐採すればその切り株から芽を出して、また成長していく。しかし高齢化した原木は再生能力が弱ってしまい、その後に伐採されると切り株は育たずに、木は枯れてしまう。適度に伐採することで、ウバメガシの力強い再生能力を引き出しているのだ。そうやって長い年月の間、原木は絶えることなく、人と自然は共存してきたという。

里山の健全さを保つ意味でも、成長サイクルの早いウバメガシの力を借りるエネルギーシステムは、受け継ぐべき伝統だと思う。

阪本順治監督作品、映画「半世界」2019年公開)は、家業の炭焼きを継ぎ、山と海に囲まれた田舎町で、妻と中学生の息子と暮らす40歳になる男が主人公だ。

半世界

映画の中で、ウバメガシの生態について語られることはないが、この映画は、人間と自然が共存している環境が舞台となり物語が展開していく。
主役は稲垣吾郎。彼が炭焼き職人を演じるのは勿論初めてだが、チェーンソーでウバメガシを切り倒し、1000度以上ある炭窯から焼き上がった備長炭を取り出している。映画は虚構だ。だが、そこに映し出されることは芝居だろうが、仕込みがあろうが、実際に行われていることだ。こういう積み重ねが映画におけるリアリティにも繋がっていく。

映画が語るべきなのは人間についてだ。江戸時代の話でも、宇宙空間であっても、登場人物がゾンビばかりだとしても、どんな題材や表現を選んだところで、それは変わらない。

「半世界」という映画は、家族、友人、仕事、金、自然、死生観、自分自身、など人間が生きることについて、主人公を軸に登場人物それぞれの世界が描かれている。だが、このような作品を観るときに少しだけ想像してほしいと思うのは、劇中で主人公が伐採したウバメガシはどうなったのか、ということ。映画の中で彼が歩いていた山は実際に存在していて、もしかしたら100年後には、もう木々は枯れてしまっているかもしれないのだ。

人間はそこに在る大きなものには、あまり目を向けない。しかし、カメラは人間の目より在るものを正確に記録している。映画にはもっと可能性がある。人間について語る以上の、違う力がある。私たちが創りたいものは、サスティナブルや環境問題、人間と自然の共生という題材に接触しながら、人間についての物語を描いた映画。そこから、私たちがこれからどう生きるべきか、その先の可能性ある未来も見えてくるかもしれない。「半世界」はそういう可能性を示している映画だ。人間と自然や社会などの距離やバランスが絶妙に描かれている。私たちは、こういう映画を創って発信していくことを目指している。

このプロジェクトで、サスティナブルや環境問題を語って説教する気は全くない。私たちができること、やりたいことは映画の可能性を探ること。そもそも自然のほうは、人間が共生したいと言ったところで、今さら何言ってんだと拒否するかもしれないのだし。それでも、今後のために自然と共にどう生きていくか、それを考えるきっかけを発信していく力を映画は持っていると信じて、映画を創り続けていきたいと思っている。

文:飯島将史(プロジェクトメンバー)
原田満生

飯島将史

日本映画学校(現日本映画大学)で緒方明監督に師事。卒業後、フリーの助監督として映画・テレビドラマ作品に参加。阪本順治監督の映画作品に多く携わっている。
『ニッポンと話そう』プロジェクトでは、映画の企画製作等プロジェクトメンバーとして参加している。

『半世界』DVD Blu-ray絶賛発売中

ご協賛のお願い

「ニッポンと話そう」プロジェクト第二弾映画製作決定!

第一弾短編映画『せかいのおきく』に続いて、第二弾映画の製作が決定しました! 『せかいのおきく』の続編か!? 今までにない、サーキュラーバイオエコノミー長編時代劇を製作します!監督は、阪本順治監督。超豪華な俳優陣で映画を盛り上げていきます!

「ニッポンと話そう」プロジェクトでは、第二弾映画製作費をはじめ、私たちの活動にご賛同いただける企業様、団体様のオフィシャルスポンサー及び個人サポーターを募集しております。協賛金、製作支援出資金はプロジェクト運営費、映画製作費、ドキュメンタリー製作費、コラボレーション企画製作費等に充てさせていただきます。つきましては、プロジェクトの趣旨をぜひご理解いただき、製作支援出資金および協賛金に大きくご協力いただきたくお願いする次第です。
協賛特典、出資条件等、詳細に関しましては、お話のうえ決めさせて頂いきたいと思います。

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株式会社HM/担当者 原田満生
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皆様からの熱いご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします!!